広島の子育て世代に向けた、医療・健康・暮らしにまつわる情報を発信

白内障 | 症状から調べる | ファミリードクター

白内障

眼のレンズとしての役割を持つ水晶体が白く濁り、視力が低下する病気を白内障と言います。視力の矯正が効かなくなりメガネをかけても見えにくくなります。

原因

  • 加齢白内障または老人性白内障
    白内障の原因の90%以上は加齢です。80歳代以上になると殆どの人が白内障を発症していることが報告されています。
  • 先天白内障
    稀ですが、生まれてすぐ白内障になることもあります。
  • 外傷性白内障
    けがが原因で白内障になることがあります。
  • 全身疾患
    糖尿病、アトピー性皮膚炎などがあります。
  • 紫外線
    老化の原因である活性酸素を発生させる原因として注目されています。

その他、紫外線、放射線、ステロイド薬なども白内障の原因となります。

症状

水晶体が少しずつ濁ることで様々な症状が現れます。症状の進行により4段階に分けられます。

初期

水晶体の皮質が濁りはじめた最初の状態を指します。自覚症状はほぼ無く、日常生活に支障をきたすこともありません。

中期

皮質から水晶体の核へと濁りはじめていく段階であり、「視界がかすむ」「ぼやけて見えにくい」「光が眩しい」などの症状が少しずつ現れるようになります。

成熟白内障

さらに症状が進むと、水晶体全体が白く濁り、成熟白内障と呼ばれます。見え方の異常だけではなく、視力低下の発生も起こり、日常生活に支障が現れるようになります。

過熟白内障

この時点で治療をせずに放置していると水晶体自体が硬くなり、濁りの色も白から茶色に変化します。硬くなった水晶体が融解して炎症を伴う水晶体融解性ぶどう膜炎を発症する恐れがあります。激しい痛みや充血を伴い、緊急に手術が必要になります。また水晶体が膨張し、眼圧が急上昇することによって急性緑内障発作を発症する恐れもあります。ここまでくると失明するリスクが高くなり手術をしても視力が元の状態に戻らない可能性もあります。

白内障が進行すると、手術による治療が必要になるほか、重大な病気に繋がる可能性もあります。初期段階では自覚症状がほとんどないため、定期的に眼科を受診するようにしましょう。

治療

初期の段階では点眼による薬物療法を行います。点眼である程度の進行抑制効果が認められますが、症状を改善させたり、視力を回復させたりすることはできません。症状が進んでくる場合は手術が必要です。

薬物療法

  • ピレノキシン製剤
    キノイド物質の成長を抑えて水晶体の濁りを防止します。
  • グルタチオン製剤
    不溶性タンパク質の増加を抑え水晶体の透明度を保ちます。

白内障手術

現在主流となっている手術は「超音波乳化吸引術」です。濁った水晶体の内部を吸引し、新たな人工レンズを眼内に挿入することで白内障を治療します。重症の場合を除き、点眼麻酔や局所麻酔で手術が行われることが一般的です。

手術を受けることで、濁った視界がクリアになります。比較的安全性の高い手術ですが、まれに術後の合併症や後発白内障等が発症する例もあるため、医師とよく相談のうえ受けることが大切です。

なお、白内障により他の病気が併発している場合には、手術内容や治療の順番が異なることがあります。白内障手術を受ける際は、どのような治療が行われるか医師に確認しておきましょう。

この記事の監修

やまだ眼科 院長山田 貴之

2013年6月に安芸郡府中町青崎中でやまだ眼科を開院することになりました。

私はこれまで多数の病院で様々な医療を学んできました。最終的には眼形成を専門とし、聖隷浜松病院眼形成眼窩外科で日本トップレベルの医療を経験しました。眼形成を専門とする眼科は全国でも少ないため、この経験を地元に還元していきたいと思っています。

総合病院では医療の最先端を患者様に提供できますが、患者様との密接な関係が作りにくい状況にあるため、やまだ眼科でかかりつけ医として信頼関係を築いていきたいと考えています。家族的なクリニックにしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【経歴・資格・所属学会】

[経歴]
平成10年3月 広島大学医学部 卒業
平成10年4月 広島大学病院 放射線科
平成11年4月 中国労災病院 放射線科
平成12年6月 マツダ病院 放射線科
平成13年6月 日本健康倶楽部
平成15年4月 広島大学病院 眼科
平成16年1月 中国労災病院 眼科
平成17年11月 広島赤十字・原爆病院 眼科
平成20年4月 聖隷浜松病院 眼形成眼窩外科
平成22年4月 広島大学病院 眼科
平成25年6月 やまだ眼科 開院

[資格]
日本眼科学会専門医
日本医師会認定産業医

[所属学会]
日本眼科学会
日本眼科手術学会
日本眼腫瘍学会
日本涙道・涙液学会

掲載情報について

本サービスは情報提供サービスであり、本サービスにおける医師・医療従事者等による情報の提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする方は、必ず医療機関や医師にご相談の上、専門的な診断を受けるようにしてください。
本サービスで提供する情報の正確性について適正であることに努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
※掲載情報には自由診療の内容が含まれている場合がございます。費用等については、直接医療機関にお問い合わせください。

トップ