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腎梗塞 | 症状から調べる | ファミリードクター

腎梗塞

腎梗塞とは、何らかの原因で腎臓の太い動脈が詰まる病気のことです。腎梗塞は突然腹部痛や吐き気等の症状が現れる急性発症と、無症状で慢性に進行するものがあります。ただし、腎梗塞の症状は、様々な病気の症状に似ており、特徴的な症状が見られることが少ないため、診断が難しいと言われています。

腎梗塞の原因

心房細動や腎臓動脈瘤、腎動脈解離、血管炎、過凝固状態等の疾患により、腎動脈の血流が遮断もしくは減少することが原因で発症します。
心房細動が原因となることが最も多く、心臓の中で発生した血の塊が腎動脈に詰まることで発症します。また、過凝固状態は免疫の病気や末期がん等により引き起こされます。

腎梗塞の症状

主な症状は、腹痛、側腹部痛、吐き気、嘔吐、血尿等です。これらの症状は、多くの病気の症状として見られることが多く、腎梗塞特有の症状が見られることはありません。そのためなかなか診断が確定できなかったり、発見が遅れるケースも多いです。
腎梗塞に気づかず症状が進行すると、梗塞の範囲によっては急性腎不全や慢性腎不全を併発することもあるため、早期の治療が大切です。万が一片方の腎臓が機能を失っても、もう片方の腎臓に障害が見られない場合には、日常生活に支障を来たすことはありません。

腎梗塞の治療と予防

腎梗塞の治療

不整脈による血栓症が原因の場合は、抗凝固療法を行います。抗凝固療法により血液の流れを良くすることで、症状の改善を図ります。尚、詰まった血栓の大きさや症状、発症からの経過時間を考慮し、手術療法が選択される場合もあります。発症が間もない場合には、カテーテル療法が行われることも多くあります。カテーテル療法では、血栓溶解薬を用いて局所の血栓を溶かしたり、血栓を吸引して物理的に取り除きます。
その他の疾患が原因となっている場合には、原因となっている疾患の根治的な治療を行うことで、腎梗塞の改善を図ります。また、腎不全が見られる場合には、血液透析療法が必要です。

腎梗塞の予防

腎梗塞を予防するためには、特に食生活に注意が必要です。塩分の摂りすぎは高血圧につながり、腎梗塞をはじめとする血管の詰まりを起こしやすくなります。食塩は、1日3g以上6g未満を目安に摂取して下さい。また、タンパク質の摂りすぎも、腎臓の負担になるため避けて下さい。タンパク質は肉や魚だけではなく、ご飯やパンにも含まれます。栄養バランスの良い食事を心がけ、腎梗塞を予防しましょう。
腎梗塞の症状が見られる場合には、早めに受診して下さい。早期に治療を開始することで、重症化を防ぐことができます。

この記事の監修

いとう腎・泌尿器科クリニック 院長伊藤 誠一

平成7年に鳥取大学を卒業、平成11年から呉共済病院へ赴任し17年間勤務しました。高齢化が進む呉地区で長らく勤務した経験を生かして地域の皆さんと長いお付き合いがしたいと思いこの度呉市中通2丁目にクリニックを開院しました。リオオリンピック開催や25年ぶりの広島カープ優勝の記憶に残る年に開院できた事をうれしく思っています。

受診される皆様それぞれにクリニックに求める物が違うと思いますので、皆様の話をしっかり聞いた上で総合病院や専門病院とも密に連携を取りながら、それぞれのニーズに応じた幅広い診療を地道に続けていきたいと思っています。そのために私をはじめとして職員一同が向上心を持ち日々診療を続けて行く事を大事に思っています。

【経歴・資格・所属学会】

[経歴]
平成7年 鳥取大学医学部卒業
平成7年 岡山大学医学部泌尿器科研修医
平成8年 福山市民病院泌尿器科
平成8年 国立病院機構岩国医療センター泌尿器科
平成9年 倉敷成人病センター泌尿器科
平成11年 国家公務員共済組合連合会 呉共済病院泌尿器科
平成28年 いとう腎・泌尿器科クリニック開院

[資格]
日本泌尿器科学会専門医
日本泌尿器科学会指導医
腎移植学会専門医
臨床腎移植学会専門医

[学会]
日本泌尿器科学会
日本移植学会
臨床腎移植学会

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