腎結石の原因

原因は体質や生活習慣など様々ですが、シュウ酸の過剰摂取も原因だと考えられています。また、シュウ酸以外の原因として、尿酸やリン酸マグネシウムアンモニウムも原因です。さらに、肥満体型の人は標準体型の人に比べて、腎結石になりやすいとされています。食生活においては、肉類などの動物性タンパク質やビタミンCの摂取量が多過ぎる人、また水分の摂取量が不足している人も腎結石になりやすいとされています。その他、原発性副甲状腺機能亢進症を患っている場合、血液中のカルシウム濃度が高くなることから腎結石ができやすくなるため注意が必要です。

腎結石の症状

初期の腎結石は腎臓内にあるため無症状なケースが多く、自覚症状がないことから健康診断をきっかけに発見されることが殆どです。しかし、結石が腎臓から尿管へと移動するにつれ、下腹部や背中の痛みが起こる他、肋骨から腰にかけて痛みを感じる腎疝痛が起こるようになります。痛みの強さには波があり、短い場合は20分間隔、長い場合は60分間隔で痛みのピークが訪れ、激しい時には痛みが陰部まで広がることもあるでしょう。代表的な症状である痛みの他にも、腎機能の低下、強い吐き気や発汗、嘔吐、悪寒、発熱などを伴うこともあります。また、尿そのものに異変が現れるケースも多く、血尿が出る、実際に排出された尿の中に石が混ざっている、尿から悪臭がする、尿の色が濁っている、尿意切迫と呼ばれる強い尿意が頻繁にあるなど、異変を感じた場合は早めに医療機関を受診することを推奨します。

腎結石の予防と治療

腎結石が疑われる場合、尿検査とレントゲン、CT検査を実施することで結石の位置や尿路の閉塞の程度を把握します。稀に結石の種類を特定するための結石分析検査が別途行われることもあります。治療法としては、まず非ステロイド系抗炎症剤を使用して腎疝痛などの痛みを取り除き、結石を排出させる治療を行うケースが殆どです。結石による尿管の閉塞の程度が酷い場合は、閉塞を解除し腎臓内の除圧をするためにステントと呼ばれるチューブが挿入されることもあります。長期間にわたり結石が自然排出されない場合は、外科的手術を行います。主な手術方法である体外衝撃派結石破砕術は、体外からの衝撃波により内部の結石を砕いて排出する方法です。結石が排出された後は、結石の種類によっては尿路感染を防ぐための抗菌薬を服用することもあります。

再発する確率が高い腎結石においては、日々の予防が非常に重要となります。日頃からホウレンソウやコーヒー、チョコレートなどシュウ酸の含有量が多い食品の摂取を控える他、こまめな水分摂取を心掛けて定期的に尿を排出するよう心掛けましょう。1日の目標尿量は2リットル以上です。また、結石の原因となり得る尿酸は同時に痛風の原因にもなるため、日頃からプリン体や動物性タンパク質を取り過ぎないなどの痛風予防を行うことも結果的に腎結石の予防に繋がります。検査の結果、尿酸の濃度が高すぎる場合には、薬剤を用いた内服治療が行われることもあるでしょう。肥満気味体型の人は、生活習慣の見直しや食習慣の改善を行うことも大切です。一度腎結石を発症したことがある場合は、自覚症状がなくても定期的に健診を受けることが再発予防になります。