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急性腎炎(急性糸球体腎炎) | 症状から調べる | ファミリードクター

急性腎炎(急性糸球体腎炎)

急性に発症する腎炎で、タンパク尿や高血圧、浮腫等を伴う状態を指します。
成人や高齢者にも発症しますが、一般的には小児・青年期に多くみられます。急性腎炎は適切な治療を受けることで、発症から数週間で腎機能が回復することが多く、完治可能な病気です。しかし稀に慢性へと進行し、腎不全に移行する場合があります。高血圧や浮腫、タンパク尿といった症状がなくなり、腎機能の正常が確認できれば、通常の生活に戻ることができますが、運動制限が必要な時期もあります。

急性腎炎(急性糸球体腎炎)の原因

風邪や溶連菌等感染症の後に、2週間前後経過してから発病します。細菌やウイルスが、免疫反応によって糸球体の細胞に炎症を引き起こすことが原因です。特に風邪から扁桃炎を発症し急性糸球体腎炎に移行するケースが多いため、扁桃炎が流行する秋から冬にかけて患者数が急増します。成人でも溶連菌感染症から急性腎炎を発症することがありますが、多くの場合において溶連菌への抗体を持っているため、成人の急性腎炎発症率は高くありません。

急性腎炎(急性糸球体腎炎)の症状

風邪や溶連菌等感染症から2週間程度経過した頃に、顔がむくんで腫れぼったくなる、すねがむくみ、押すとへこむ等の症状が出ます。タンパク尿、血尿、高血圧、全身のだるさ、食欲不振等の症状も併発することもあります。重症化すると、顔やすねだけではなく全身がむくみます。胸に水がたまり、呼吸困難に陥ることがあるため注意しなければなりません。

急性腎炎(急性糸球体腎炎)の治療と予防

急性腎炎の治療

急性腎炎の根本的な治療法はありません。安静が重要であるため入院治療が原則で、水分や塩分、タンパク質の食事制限と、浮腫や高血圧に対する利尿薬や降圧薬の投与等薬物療法が行われます。入院治療期間は平均1〜3ヶ月程度です。

急性腎炎の予防

急性腎炎は風邪や感染症から発症するため、感染症対策をすることで急性腎炎の予防に繋がります。感染症を予防するためには、手洗いとうがいの徹底や規則正しい生活を送ることが大切です。1日3食栄養バランスの良い食事を心がけ、免疫力を高めてください。また、ストレスも感染症に起因します。ストレスを溜めすぎないように注意してください。

急性腎炎は急速に症状が進行することがあります。高血圧やタンパク尿、皮下組織のむくみが見られたら、早めに病院で受診してください。

この記事の監修

いとう腎・泌尿器科クリニック 院長伊藤 誠一

平成7年に鳥取大学を卒業、平成11年から呉共済病院へ赴任し17年間勤務しました。高齢化が進む呉地区で長らく勤務した経験を生かして地域の皆さんと長いお付き合いがしたいと思いこの度呉市中通2丁目にクリニックを開院しました。リオオリンピック開催や25年ぶりの広島カープ優勝の記憶に残る年に開院できた事をうれしく思っています。

受診される皆様それぞれにクリニックに求める物が違うと思いますので、皆様の話をしっかり聞いた上で総合病院や専門病院とも密に連携を取りながら、それぞれのニーズに応じた幅広い診療を地道に続けていきたいと思っています。そのために私をはじめとして職員一同が向上心を持ち日々診療を続けて行く事を大事に思っています。

【経歴・資格・所属学会】

[経歴]
平成7年 鳥取大学医学部卒業
平成7年 岡山大学医学部泌尿器科研修医
平成8年 福山市民病院泌尿器科
平成8年 国立病院機構岩国医療センター泌尿器科
平成9年 倉敷成人病センター泌尿器科
平成11年 国家公務員共済組合連合会 呉共済病院泌尿器科
平成28年 いとう腎・泌尿器科クリニック開院

[資格]
日本泌尿器科学会専門医
日本泌尿器科学会指導医
腎移植学会専門医
臨床腎移植学会専門医

[学会]
日本泌尿器科学会
日本移植学会
臨床腎移植学会

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