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亀頭包皮炎 | 症状から調べる | ファミリードクター

亀頭包皮炎

亀頭包皮炎とは、細菌やカンジダが男性の亀頭や包皮に感染して炎症を起こす病気です。
感染が細菌によって起こる場合は「細菌性亀頭包皮炎」と言います。一方、カンジダによって起こる場合は「カンジダ性亀頭包皮炎」です。また、炎症が亀頭のみに起こっている場合は「亀頭炎」。包皮のみに起こっている場合は「包皮炎」とも言います。

この病気は包茎の男児で良く発症するため、15歳以下の小児に多く見られる病気です。しかし、中には性病に関連する事もあり、子どもだけでなく大人でも発症する可能性のある病気です。
発症すると痒みや痛みを生じたり、赤くなったりします。また排尿時に痛みを感じる事もあります。
炎症が強くなっていくと化膿にまで至る事もある為、注意が必要な病気です。

亀頭包皮炎の原因

亀頭包皮炎は亀頭や包皮にブドウ球菌・腸球菌等の細菌やカンジダ等のカビが付き、繁殖する事で発症します。細菌とカンジダのどちらかの菌、または、カビが原因です。中には、細菌とカンジダの両方が原因となる混合感染の場合もあります。

また、患部の洗い過ぎも一つの原因となっています。何らかの原因により赤みが出た時に、清潔にしなければならないと考え、石鹸などで洗い過ぎてしまう事による発症もあります。患部を清潔に保つ事は大切な事です。しかし、洗い過ぎは自然に治る程度の炎症を刺激により、より悪化させてしまうことに繋がります。ボディーソープは主に皮膚を洗うための石鹸です。亀頭や包皮などは粘膜であり、粘膜にとってボディーソープの洗浄力は強すぎる可能性があります。亀頭や包皮等の粘膜付近に使うと、必要な油分まで洗い流してしまう事になります。粘膜付近を洗う際はシャワーのお湯で表面の汚れや垢を軽く洗い流す程度で十分な為、洗い過ぎには注意しましょう。

その他の原因として、下着や薬剤によるかぶれ、包茎の皮膚が物理的に切れてしまうことや、高温多湿状態による蒸れも挙げられます。更に、糖尿病や睡眠不足による免疫力の低下も原因となる事があります。

亀頭包皮炎の症状

亀頭包皮炎は亀頭や包皮等の粘膜の表面に、赤みや痒み、痛みがある等が主な症状です。
亀頭包皮炎の中でも、細菌性亀頭包皮炎の場合は炎症や赤みが強いです。更に、酷い状態になると包皮が腫れ上がり、熱を持ったように感じる場合もあります。また、黄色い膿が付く事もあります。
カンジダ性亀頭包皮炎の場合は赤みや皮むけが現れるだけでなく、白っぽいカスが溜まり、腐ったような臭いが生じる場合もあります。

亀頭包皮炎の治療と予防

亀頭包皮炎の治療

亀頭包皮炎を治療していくにあたり最も大切な事は亀頭や包皮を程よく清潔に保つことです。清潔に注意しても改善しない場合には、以下のように薬による治療をします。
細菌性亀頭包皮炎が疑われる場合には、抗生物質の塗り薬による治療です。赤みなどの炎症を抑える為に、弱いステロイド性薬剤を合わせて使う事もあります。
また、亀裂やびらん(爛れた状態)等が酷い場合には、抗生物質の飲み薬も併用して治療していきます。
カンジダによる亀頭包皮炎が疑われる場合には抗真菌薬の塗り薬による治療です。カンジダ性亀頭包皮炎の場合も、炎症を抑える為に、弱いステロイド性薬剤を合わせて使う事もあります。

しかし、薬は人によって合わない場合もあります。薬を使ったにもかかわらず症状の改善が感じられない場合は、再度病院に行き薬を変更してもらいましょう。
また、患部を清潔に保つために真性包茎であれば、包茎の手術を勧められる場合もあります。
これらの処置により、薬を塗る程度の症状の場合は1週間程度で改善が見込めます。しかし、炎症が治まったからと言って自己判断で薬を止めてはいけません。炎症が治まっていても菌が残っていると、再度繁殖して炎症を起こす可能性があります。飲み薬は医師に指示された期間飲み続けることが大切です。

亀頭包皮炎の予防

亀頭包皮炎の予防法は体を清潔に保つ事が最も重要です。
しかしカンジダによる亀頭包皮炎を発症している場合では、洗い過ぎは禁物です。洗い過ぎると、カンジダ菌を抑えてくれている、普段から体に存在している菌まで洗い流してしまう事があります。洗い過ぎにより症状が悪化してしまう事もあるため石鹸を使って洗い過ぎないようにしましょう。
また、包茎である事も原因の一つです。包茎には真性包茎と仮性包茎があり、これらの状態では不必要な皮が亀頭と包皮に密閉した空間を作ってしまいます。その場所は清潔に保ちにくく、菌が溜まりやすいため病気の原因になりやすい環境です。よって、手術などにより包茎を改善することで、病気を予防できる可能性があります。
更に、カンジダ菌などの菌は湿気を好む為、通気性のいい下着を履く事も予防の一つです。
また、不規則な生活やストレスにより、免疫力が落ちていると罹患しやすくなります。規則正しい生活を行い、ストレスを溜めないようにし、免疫力を高めることが大切です。

この記事の監修

いとう腎・泌尿器科クリニック 院長伊藤 誠一

平成7年に鳥取大学を卒業、平成11年から呉共済病院へ赴任し17年間勤務しました。高齢化が進む呉地区で長らく勤務した経験を生かして地域の皆さんと長いお付き合いがしたいと思いこの度呉市中通2丁目にクリニックを開院しました。リオオリンピック開催や25年ぶりの広島カープ優勝の記憶に残る年に開院できた事をうれしく思っています。

受診される皆様それぞれにクリニックに求める物が違うと思いますので、皆様の話をしっかり聞いた上で総合病院や専門病院とも密に連携を取りながら、それぞれのニーズに応じた幅広い診療を地道に続けていきたいと思っています。そのために私をはじめとして職員一同が向上心を持ち日々診療を続けて行く事を大事に思っています。

【経歴・資格・所属学会】

[経歴]
平成7年 鳥取大学医学部卒業
平成7年 岡山大学医学部泌尿器科研修医
平成8年 福山市民病院泌尿器科
平成8年 国立病院機構岩国医療センター泌尿器科
平成9年 倉敷成人病センター泌尿器科
平成11年 国家公務員共済組合連合会 呉共済病院泌尿器科
平成28年 いとう腎・泌尿器科クリニック開院

[資格]
日本泌尿器科学会専門医
日本泌尿器科学会指導医
腎移植学会専門医
臨床腎移植学会専門医

[学会]
日本泌尿器科学会
日本移植学会
臨床腎移植学会

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