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楽々園内科呼吸器クリニック院長:安武美紀【広島市佐伯区】

安武 美紀院長 楽々園内科呼吸器クリニック(広島市佐伯区)

私にとっての医師の仕事

小さいころから医師になりたいと思い、医学部、勤務医、開業医と医師しかしてこなかった私にとって仕事とは、正に当たり前の毎日の生活であります。生活のために仕事をするのではなく、辞めたいと思った事もなく、仕事のために私の生活があり、仕事によって私のアイデンティティも得られているといった感じです。

私の主人は、三菱重工業の研究職なのですが、これまで広島研究所、本社や長崎研究所など転勤があり、2年前に広島研究所が閉鎖され、長崎研究所に転勤となりました。転勤のたびに仕事の内容も変わり、上司も変わり、長崎出身の主人のために今回は私も勤務医を辞めて長崎に永住しようかと悩みました。しかし、仕事のために生きてきた自分の思考回路はそうそう変えられず、ちょうど良い開業の話があったので、主人の勧めで今年4月に広島市に開業しました。私は生まれも育ちも広島で、戦後のめざましい復興を遂げてきた愛着のある故郷を離れることはできませんでした。

そんな私の一番の理解者である主人は、3年したら会社を辞めて開業を手伝うよと言ってくれました。ずっと月に2度450キロ離れた長崎から帰広してくれて、夜や休日も研究の仕事をしている主人を見ていると、早く辞めて広島に帰って欲しいと思えなくなりました。私がどうしても広島を離れられなかったように、仕事を辞めることを考えたことがなかったように、主人もそう思っているのかもしれない、私を思って自分が辞めると言っているのかもしれないと思うようになりました。

最近主人に月に何日かしか会えなくてもいいから、好きなだけ会社にいてもいいよと申しますとじゃあ、潮時までいようかなと主人は言いました。自分のために他者の犠牲を強いるのではなく、どうしても譲れない自分の理念以外は他者のために惜しげもなく犠牲にするということなしに他者は変えられないものだなと思う今日この頃です。

さて、そんな私ですが、次に生まれ変わったら、主人と居るかどうかはさておき、何になりたいかなと考えることはあります。私は小さいころから、人間と関わることが苦手で、医師となり人と関わる方法を見出したような側面があります。そのため、仕事以外で人と関わることはほとんどありませんが、その反面動物がとても好きです。

現在、ゴールデンレトリバー2頭を私と主人がそれぞれ1頭ずつ分け合って生活しています。医師としての見習い時代に犬を飼う余裕などなかったので、20年以上前からコザクラインコをずっと飼っていました。愛媛大学へ転勤となった独身時代、一人で引っ越しの際に心細かった私はコザクラインコとフェリーに乗ったことをよく覚えています。しかし、その後の生活が忙しすぎてインコさえ飼えず、実家に持って帰りましたが。大型犬は、性格が穏やかで非常に賢く人に寄り添ってその生活を支えてくれるようなところがあります。最初は、手を焼くこともありますが、直ぐに飼い主の性格や生活に合わせてくれるようになります。私は2年前から開業準備をしておりましたが、私の相棒5歳の雄ホープは設計士や藤井医療器での打ち合わせほぼすべてに参加しました。朝から10時間も留守番し、夜も留守番させられないという気持ちで連れて行ったのですが、5時間以上の打ち合わせでも私の椅子の下で伏せて待っておりました。

現在も海田の自宅から楽々園のクリニックまで一緒に車で出勤し、近くに借りたアパートで留守番し、昼の休憩時間には近所を散歩し、夕方一緒に車で帰っています。ホープがいない生活は想像することができないほど寄り添ってくれております。ホープは生まれつき甲状腺機能低下症で体が弱く、毎月子犬のころからのかかりつけの獣医に受診しています。全身麻酔で開腹手術もされたのに、ホープは主治医には大変なついており、受診すると大喜びで診察台に飛び乗って先生に顔をわしゃわしゃしてもらっています。痛いもつらいも言えない動物の命はとてもはかないと思いますが、動物好きな私は次に生まれてきたら、獣医になりたいなあと憧れています。子供のいない私のこれからの夢は、もっと田舎に住んで牛や鶏を飼って毎日搾りたての牛乳や生みたての卵が食べたいと本気で願っているのですが、一番の理解者であるはずの主人に全力で止められているところです。

病院紹介 楽々園内科呼吸器クリニック

楽々園内科呼吸器クリニック

診療内容

内科・呼吸器内科

アクセス

〒731-5136 広島市佐伯区楽々園5丁目9 楽々園クリニックビル3F Tel:082-943-5040
  • JR五日市駅で広電に乗換え2駅目で下車、楽々園電停から徒歩5分
  • 国道2号線西広島バイパスから五日市コイン通りを南へ10分
    広島岩国道路 廿日市JCTから国道2号線(宮島街道)を広島方面へ15分

院長  安武美紀 

初めまして、楽々園内科呼吸器クリニック院長の安武美紀です。私は、平成5年に自治医科大学を卒業し、9年間広島県の僻地医療をしてまいりました。その後広島大学第二内科に入局して、呼吸器内科、アレルギーを専門として研究、臨床を積み上げてきました。1年半前に主人の転勤を契機に将来を見つめなおし、広島市で開業し、3年後主人が早期退縮して広島に帰ってくることにしました。またこれまでは与えられた立場でどちらかと言えば受け身で勤務医としての仕事をしてきましたが、これまでの集大成としてクリニックを立ち上げ、より患者様と密接に地域医療をしたいと考えました。今後はどうなるかまだまだわかりませんが、一度しかない人生を医師として精一杯走りぬきたいと願っています。

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