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公益財団法人メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン

難病の子どもたちの夢をかなえるために

「メイク・ア・ウィッシュ」は、英語で「ねがいごとをする」という意味のボランティア団体です。3歳から18歳未満の難病と闘っている子どもたちの夢をかなえ、生きる力や病気と闘う勇気を持ってもらいたいと願って設立されました。メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン広島支部で活動に携わる内野昌恵さんと日上公子さんにお話を聞きました。

メイク・ア・ウィッシュの活動について教えてください

メイク・ア・ウィッシュは1980年にアメリカで発足した団体です。アリゾナに住む、クリスという7歳の白血病の男の子の「警察官になりたい」という夢を実現するため、地元の警察官が協力。制服を用意し、名誉警察官に任命して、警察官の仕事を体験してもらいました。クリスは大喜びしましたが、残念ながらその5日後に亡くなりました。

このことをきっかけに立ち上がったのが、メイク・ア・ウィッシュ ファウンデーション。その活動は全世界40カ国に広がり、1992年にメイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンが設立。中四国エリアでの活動を担う広島支部は、2005年に開設されました。

活動内容は、難病の子どもたちの夢をかなえるお手伝いをすること。3歳から18歳未満の難病と闘っている子どもたちのご家族からお申し込みを受け、主治医の先生の確認を得てウィッシュチャイルドと認定されると、ご希望を細かく聞き取って実現可能な形をプランニングし、コーディネートします。

日上さんと内野さんが活動に関わるようになったきっかけは?

日上さん

東日本大震災の後、何度か福島にボランティアに行きました。仮設住宅でお好み焼きを焼いて、みんなで食べたりしたのです。その時に、被災者の方々を元気づけに行ったはずなのに、逆に私の方が元気をもらい、ボランティアの魅力を感じました。その後、たまたま友人から広島支部のスタッフを探していると聞き、経験したことを役立てるのではないかと考えて携わるようになりました。

内野さん

私はボランティア経験など全くなくて、普通の会社員をしていました。忙しく働いていたのですが、もう少し社会のために働きたいと考え始めていました。前の会社が偶然移転前の事務所の近くで、横断歩道で信号待ちをしている時にこれもまた偶然昔の同級生に出会い、彼女から広島支部のスタッフ募集の話を聞きました。年齢的にも、何か新しいことを始めるのは最後のチャンスだと考え、思い切って転職しました。

内野さん(左)と日上さん

特に印象に残っている夢を叶えたお話を聞かせてください

日上さん

ウィッシュチャイルド、ご家族、身体の状態、ご希望など、毎回異なる対応となり、いつも初めての経験として向き合うため、どれも心に残っています。その中でも特に…ということで一つ挙げるならば、消防自動車が大好きな11歳の男の子の夢のお話をご紹介したいと思います。彼がどうしても見たい特殊車両が、東京都八王子にある東京消防庁第九消防方面本部消防救助機動部隊にしかないということで、本部から消防庁にまで申請を上げて許可をいただきました。手配は大変でしたが、受け入れ先の方々はとてもウェルカムで、一日隊長として制服をご用意くださり、放水体験や様々な車両の見学をさせてくださいました。貴重な体験となり、本人もとても喜んでいました。

内野さん

では、私はパティシエになりたいという夢を持っていた3歳の女の子の話を。コロナ禍で休業中だったにも関わらず、プリンスホテルのパティシエ様がご快諾くださり、いろいろ準備してくださいました。クッキーの型抜きをしたり、ケーキをホイップクリームとフルーツでデコレーションしたり。実は彼女の体調があまり良くなく、当日も顔色が悪いままベビーカーに乗って会場に向かったのです。けれどもお菓子づくりにはとても集中して取り組んで、試食している時などには笑顔が見られました。そして驚いたことに、終わった時には自分で立ち上がって歩いて帰ったのです。夢をかなえることことはとてもパワーをくれるということを改めて実感しました。

コロナ禍では、特にいろいろ大変だったのですね。

思うようにいかないケースが増えました。免疫が落ちていて、ワクチンも打てないウィッシュチャイルドが多いので、外出はもちろん、面会も控えなければなりません。オンラインで面会したり、プレゼントをお届けしたりすることしかできない日々も続きました。

コロナが広がる前に東京ディズニーランド®に行く計画を立てていたご家族がいらっしゃったのですが、ずっと準備を重ねてあとは行くだけになっていたのに、直前にコロナで閉園になってしまったこともありました。ご家族の希望で決めた日程だったとはいえ、もう少し早い計画でお勧めしていれば、と悔やまれました。

ウィッシュを実現できて良かったと感じるのは、どんな時ですか?

先にも触れましたが、一度たりとも同じ事例はありません。車椅子や医療機器などを伴う外出の手配、駅やホテルでの対応の確認、ドクターや看護師に同行していただくケースもあります。何か不手際があれば命に関わるので、準備から当日までは常に気を張り詰めた状態になります。また計画を進めている途中で体調が悪化してしまったり、ウィッシュを叶えた後に亡くなられたというご報告をお聞きしたりすると、精神的につらいこともあります。

それでも、取り組むまでは不安そうだったウィッシュチャイルドとご家族が、終わった後に「楽しかった」「思い出に残りました」と言っていただくと、お手伝いして良かったと感じます。またこのプロジェクトは、ウィッシュチャイルド本人はもちろん、いつもストレスを感じておられるご家族やご兄弟も一緒に夢の実現に参加していただくことで、ご家族皆さんの笑顔が見られると心から嬉しくなります。

ご事情から公表をご辞退されるご家族も多いのですが、ご許可いただけた実現したウィッシュをHPに掲載しています。その中に広島支部でサポートした「明里ちゃん」という17歳の女の子の「ウェディングドレスを着て結婚式がしたい」というウィッシュが掲載されています。この時もご本人がとても喜んでくれたことはもちろん、「可愛いドレスを着せてあげたい」というお母様の昔からの夢もかなえることができました。

活動は寄付とボランティアに支えられていると聞きました。

ウィッシュのお手伝いは、私たちとボランティアがチームを組んで進めます。夢の実現にかかる費用、例えばご旅行などの交通費や宿泊費などの負担もいただかない仕組みです。その資金は皆様のご支援で支えられています。そのために、こういう活動があることとその意義をより多くの方々に知っていただくことも私たちの大切な仕事です。

何か力になりたいと思った場合、どのような形で協力ができますか?

複数の方法があります。HPに詳細を掲載していますので、ぜひ可能な形でご協力をいただけると幸いです。

メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン「お力をおかしください」
  • 資金面でのご支援は、直接的なご寄付のほかにも、クレジットカードやマイレージ、携帯電話やインターネット会社様と提携したものもあります。

  • グッズや本のご購入によるご支援もあります。2022年はメイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンが30周年の節目を迎えるにあたり、クラウドファンディングにて資金を集め、夢がかなった子どもや家族のエピソードを集めた記念誌を発行することができました。

  • 毎年行っているチャリティーイベントの収益もウィッシュ実現に使わせていただいています。コロナ禍で開催できない時期もありましたが、2022年から再開することができました。

  • 子どもさんなどにも手軽にご協力いただけるものとしては、書き損じハガキや使用済み切手の収集があります。
    切手は消印も一緒に切り取っていただけるとより望ましいです。集めた切手やはがきは、郵送にてメイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンの事務局までお送りください(郵送費はご負担をお願いいたします)。

    ご支援の方法:切手の収集について
  • またイオン様が毎月11日の「イオン・デー」に、実施している「イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーン」にも参加しています。お客さまがレジ精算時に受け取った黄色いレシートを地域のボランティア団体名が書かれた店内備え付けのBOXに投函していただくことで、レシート合計の1%分の品物をイオン様が寄贈してくださいます。ウィッシュチャイルドへのプレゼントの入手に活用させていただいています。

    イオン 幸せの黄色いレシートキャンペーンについて

できることからで構いませんので、ウィッシュチャイルドの夢の実現にお力をお貸しいただけると助かります。どうぞよろしくお願い致します。

メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンHP
https://www.mawj.org

メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン広島支部
〒730-0013 広島市中区八丁堀3-12砂原ビル3階
082-962-2388

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