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理学療法士ママが教える!足育のポイント ~トレーニングから靴選びまで~|広島の健康・子育て情報|ファミリードクター

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理学療法士ママが教える!足育のポイント ~トレーニングから靴選びまで~

理学療法士ママが教える!足育のポイント ~トレーニングから靴選びまで~

2023.02.20

「子供の靴はすぐにサイズアウトするから安いものでいいか」なんて思ってはいませんか?
実は「小学生の70%が足のトラブルを抱えている」という研究データがあります。その原因の一つに幼児期の靴選びが挙げられます。
ここでは、子供の足のトレーニングから靴選びまで、足育のポイントをご紹介していきます。

足育とは

足育という言葉を聞いたことはありますか?足育とは「足について正しい知識を得て、正しい靴の選び方を学び、トラブルのない足を育てる」という意味を持ちます。

足の機能の中で重要なのが「土ふまず」です。
足育にとって特に重要な時期が、土ふまずが表れ始める3歳頃から6歳頃にかけてと言われています。
土ふまずのない足を「偏平足」と言います。田舎などで車での移動が主な地域では、4~5割の小学生に土ふまずがないという研究データもあります。
また最近ではコロナでの行動制限によって運動不足になり、偏平足の子供が増えているとも言われています。

また、指が地面から浮いている「浮指」や、「外反母趾」「内反小趾」など大人の足でも見られるようなトラブルが子供の足にもみられています。

足育には「土ふまず」が重要!

土ふまずは足育の重要なポイントの一つです。
赤ちゃんの頃には土ふまずはなく、3~6歳頃までに土ふまずが形成され始めます。
8歳頃までに土ふまずが形成されてないと、偏平足と判断され日常生活の見直しが必要になっていきます。

私たちの身体にとって土ふまずにはどんな役割があるのでしょうか?
土ふまずは地面からの衝撃を吸収する役割があります。土ふまずがなければ、地面からの衝撃を直接受けるため、体が疲れやすく長距離を歩けなくなってしまいます。
また、足の内側に力がかかりやすくなるため、将来的に腰痛や膝の痛みに悩まされるかもしれません。

自宅でできる偏平足のセルフチェック項目です。

  • 子供の土ふまずに指が入らない
  • 姿勢が悪く猫背
  • 長時間歩いていないのに抱っこをせがむ
  • 歩くことを嫌う
  • すぐに疲れる

8歳を過ぎても上記の項目に当てはまる箇所が多い場合、整形外科を一度受診してみてください。偏平足と診断を受けると、偏平足専用の中敷きを保険適応で作成することもできます。

土ふまずを作るトレーニング4選

土ふまずはトレーニングで鍛えることができます。
ここでは、自宅でも簡単にできるトレーニング方法をご紹介します。

足指じゃんけん

足の指をぎゅっと丸めて「グー」、親指と人差し指を前後に開いて「チョキ」、足の指をしっかり開いて「パー」を作ります。
親子でじゃんけん遊びを楽しみながら、気軽にトレーニングできるのでオススメです。

足指歩き

5~6歳頃からできる子が多くなります。
足の指で地面を掴むように丸めたり伸ばしたりと、いもむしのような動きをしながら前に進んでいきます。足の指の力だけではなく、足の裏から地面を掴むようイメージさせてください。土ふまずが意識しやすくなり、足裏の筋肉を効率よく鍛えることができます。

クマ歩き

赤ちゃんのハイハイのように四つん這いで移動することも足のトレーニングになります。
幼稚園や保育園でも遊びの一環で「クマ歩き」を行っている場合もあります。「クマ歩き」は小学校の入試で取り入れられている、とても大切な動きです。

タオルギャザー

タオルを床に敷いて、足の指でたぐり寄せる運動です。足の指を曲げたり伸ばしたりするので、足裏の筋肉が鍛えられます。
親子で競争すると盛り上がります。高齢者の転倒予防にも効果的ですので、3世代でレースをするのも良いですね。

適切なサイズ感が重要

「兄弟のおさがりがあるから」「すぐに大きくなるから」と子供にぴったり合っていない靴を履かせてしまってはいませんか?

兄弟のおさがりは、上のお子さんの履き癖がついてしまっているのでオススメしません。
大きすぎる靴も、靴の中で足が固定できず指を使わずに歩くようになってしまいます。
小さい靴を履き続けることも、足の指の動きを阻害してしまうので、靴の交換は定期的に行うようにしてください。

最適な靴のサイズ状態は、つま先に0.5~1㎝程度余裕がある状態です。さらに反り返しがあれば、けり出しやすくなるのでオススメです。

靴選びのポイント

ここでは、足育に良い靴の選び方をご紹介します。

1:甲の高さを調整できる靴

靴ひもやマジックテープで足の甲の高さを調整できる靴は、足が安定します。安定感があると、歩きやすく自然と足のトレーニングになります。

2:少し重たい安定した靴

軽い靴は柔らかく安定感がありません。靴にある程度重さがあると、安定感が生まれるのでオススメです。ただ重すぎると逆効果ですので注意してください。

3:踵部分が硬い靴

踵部分が硬い靴は、足が靴の中で動かないよう固定されます。足が固定することで、姿勢が安定し、長時間歩いても疲れにくくなります。

4:適度な弾力がある靴

靴底に適度な弾力があると、地面からの衝撃を緩衝してくれるので、足への負担が軽減します。

5:適度な柔軟性があるくつ

靴を曲げた時に、つま先の部分で曲がる靴もオススメです。踵の部分で曲がったり、ぞうきんのように捻じれたりする靴は体をしっかり支えることができません。逆に厚過ぎて曲がりにくい靴底も身体にはよくありません。

靴を選ぶ際には必ず計測を!

3歳未満の場合は3~4か月に1回、3~6歳以上の場合は半年に1回のペースで靴の交換を行うのがベストです。

ワンサイズずつ大きくしていくのでは無く、購入する際には必ず計測を行いましょう。
お店に行くと専門のスタッフが計測してくれます。

また自宅でも、足のサイズの計測シートを無料でダウンロードすることもできます。測定の際には踵の位置に気を付けて、つま先の先端の数値を読み取ってください。
親指と小指の付け根の太い部分の寸法を測ることも忘れずに。足の長さだけでなく、つま先の形や甲の高さでも靴選びは変わってきます。

自宅で計測して足のサイズが変わっていれば、購入する際にお店に行って実際に試着するのがオススメです。

まとめ

今回は足育についてご紹介させていただきました。
親の気付かない間に、足のトラブルを抱えている子供は多く居ます。早い段階から注意して、トレーニングや靴選びを行うことがオススメです。

この記事のライター

藤田

本業では約10年間、病院での理学療法士業務を経験し、現在はデイサービスで機能訓練指導員として働いています。 プライベートでは、小学2年生と3歳の兄弟の子育てに日々奮闘しながら、ライターとしても活躍中です。

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