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この除菌療法は、胃がんを始めとするピロリ菌に関連したさまざまな病気の治療や予防に役立つと言われています。
当初、ピロリ菌除菌療法の対象疾患は、平成14年に保険適応になった胃潰瘍、十二指腸潰瘍だけでした。その後、平成22年に胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌の内視鏡的治療後が保険適応に追加され、そして平成25年2月、新たに慢性胃炎(内視鏡での確認が必要)が保険適応に追加されました。この慢性胃炎が追加されたことで、現在は若年者にも広く除菌療法を行うことが可能になってきています。
ピロリ菌の除菌治療には、胃酸の分泌を抑制するお薬と2種類の抗生物質の計3種類のお薬が用いられます。この3種類のお薬を1日2回、1週間服用することで、最近では約9割の方は除菌に成功すると報告されています。しかし、1割程度の方は失敗することになるので、除菌治療後1か月以上してから除菌が成功したかどうかの判定を行う必要があります。もし1回目の除菌治療が成功しなかった場合には、抗生物質の種類を変えて2回目の除菌治療(2次除菌)を行うことが保険診療で認められています。この2次除菌まででほとんどの場合、除菌に成功します。それでもなお除菌に失敗した場合には、自由診療での3回目以降の除菌治療を行っている施設もあります。
薬による主な副作用は、軟便や下痢です。抗菌薬による腸内細菌のバランス変化等が下痢の原因と考えられています。また、食べ物の味ににがみや金属のような味を感じるなど、味覚異常が起こる人もいます。他には肝機能異常や発疹などのアレルギー反応などがあります。除菌後に起こることとして、胸やけや逆流性食道炎があります。これは除菌によって胃酸分泌が回復するためと考えられています。この逆流性食道炎は発症することはあっても、軽症であることがほとんどで、長期的に見れば除菌によるメリットのほうが大きいと思われます。
除菌により胃がんになる危険性が約1/3程度に減少すると言われています。しかし、ピロリ菌感染により引き起こされてしまった胃粘膜の萎縮(萎縮性胃炎)は完全には元には戻らないため、胃がんになる危険性は完全になくなるわけではありません。そのため、除菌後も定期的な内視鏡検査は必要です。また年齢で言えば、若いうちに除菌したほうが胃癌になりにくいことが分かっています。
本邦の成人においては、除菌成功後の再感染は極めて稀で、除菌治療成功後の再感染率は年間1%未満と報告されています。
ピロリ菌の除菌治療は胃がんや胃・十二指腸潰瘍などの予防に有効です。内視鏡検査で慢性胃炎を認め、ピロリ菌感染が確認されれば、除菌治療を行いましょう。
ピロリ菌の除菌が成功した後も、胃がんのリスクは残ります。そのため、除菌後も年に1回程度の定期的な内視鏡検査を心がけましょう。
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