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熱中症の予防について〜 withコロナウイルスの時代に

2020/06/19

ほんとに蒸し暑いですねぇ。しかもこのご時世マスクしてないといけないし、余計に顔面が蒸し暑く感じますよね。

水分摂取もマスクをつけているとやりにくいし。しかもこれからどんどん気温もあがり熱中症のリスクが高くなってきます。

そうです、今回のテーマは熱中症です。

今月、日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本感染症学会、日本呼吸器学会の4学会が以下のような5つの提言を出しました。

提言

  1. 屋内においては、室内換気に十分な配慮をしつつ、こまめにエアコン温度を調節し室内温度を確認しましょう。
  2. マスク着用により、身体に負担がかかりますので、適宜マスクをはずして休憩することも大切です。ただし感染対策上重要ですので、マスクを外す際はフィジカルディスタンシングに配慮し、周囲環境などに十分に注意を払ってください。また口渇感によらず頻回に水分も摂取しましょう。
  3. 体が暑さに慣れていない時期が危険です。フィジカルディスタンシングに注意しつつ、室内・室外での適度な運動で少しずつ暑さに体を慣れさせましょう。
  4. 熱中症弱者(独居高齢者、日常生活動作に支障がある方など)の方には特に注意し、社会的孤立を防ぐべく、頻繁に連絡を取り合いましょう。
  5. 日頃の体調管理を行い、観察記録をつけておきましょう。おかしいなと思ったら、地域の「帰国者・接触者相談センター」や最寄りの医療機関に連絡・相談をしましょう。

暑くて読むのがめんどくさいよ〜って場合はここまででも大丈夫です!上記の5提言を知っていただけただけでOKです。

でも余裕がある方はもう少し引き続きお付き合いください。

新型コロナウイルス感染症の蔓延により政府から適応されていた緊急事態宣言が5月25日に解除されましたね。しかし解除後もコロナウイルスがいなくなったわけではなく、「新型コロナウイルスの感染拡大を予防する「新しい生活様式」」が示され

①身体的距離の確保 ②マスクの着用 ③手洗い『3密(密集、密接、密閉)』を避けるなどの対応が求められています。

そもそもマスクをしているからといって熱中症のリスクが上がるかどうかは定かではありません。局所的に皮膚を覆ったところで深部体温の上昇は来さないという報告もあります。しかしマスクをつけて運動をした場合、つけずに運動した場合と比べると呼吸回数や心拍数の変化からマスクをつけたほうが体に負担がかかることもわかっています。なによりマスクをつけていた方がしんどいのは自分の体でも簡単に実感できますよね。

では提言の中身をしっかり見てみましょう。

提言1.

屋内においては、室内換気に十分な配慮をしつつ、こまめにエアコン温度を調節し室内温度を確認しましょう。

→水の流れと同様で淀んだ空気も衛生的ではありません。感染予防のため換気をして空気が淀まないようにしないといけません。クーラーをつけて換気もするのは難しいし、なんかもったいない気もしますが、時々空気の入れ替えは行った方が良いですね。第2波第3波で、ステイホームを余儀なくされることになったら特に注意が必要になります。

提言2.

マスク着用により、身体に負担がかかりますので、適宜マスクをはずして休憩することも大切です。ただし感染対策上重要ですので、マスクを外す際はフィジカルディスタンシングに配慮し、周囲環境などに十分に注意を払ってください。また口渇感によらず頻回に水分も摂取しましょう。

→前述のようにマスクによって体に負担はかかります。周囲の環境に配慮しながらマスクを外したり、水分補給を行いましょう。別に喉乾いていないよって、おっしゃる方もいらっしゃいますが、実は口渇感は熱中症予防の指標にならないのです。これは医療従事者にとっては常識なのですが皆さんよく勘違いしていることですね。こまめに水分補給です。
ちなみにお酒は脱水を助長するので仕事あとのビールなどは水分補給にはなりません!お酒と一緒にチェイサー(お水)もご用意ください。

提言3.

体が暑さに慣れていない時期が危険です。フィジカルディスタンシングに注意しつつ、室内・室外での適度な運動で少しずつ暑さに体を慣れさせましょう。

→暑熱順化(しょねつじゅんか)と言うそうです。体が暑さに慣れてくるというわけですね。ちょうど今の時期のように急に暑くなってきたり、急に蒸すようになると体調を崩しがちになります。気温の変化や自分の体調の変化に気を付けながら無理のない範囲で体を動かして暑さに強くなりましょう。ずっとクーラーの効いた部屋にこもっていると順化できませんので気をつけてください。

提言4.

熱中症弱者(独居高齢者、日常生活動作に支障がある方など)の方には特に注意し、社会的孤立を防ぐべく、頻繁に連絡を取り合いましょう。

→ソーシャルディスタンシングという言葉もありますが、本提言ではフィジカルディスタンシングという文言が用いられています。他者との距離をとる行為です。決して社会的孤立をつくらないように心がけないといけませんね。

提言5.

日頃の体調管理を行い、観察記録をつけておきましょう。おかしいなと思ったら、地域の「帰国者・接触者相談センター」や最寄りの医療機関に連絡・相談をしましょう。

→判断に迷ったら保健センターやかかりつけ医(できればコラムのリンクをお願いします)に連絡し指示を仰ぎましょう。体調の観察記録って?て思われるかもしれませんが、難しく考えなくて大丈夫です。体温や体重の変化がわかるだけでだいぶ違います。血圧手帳をお持ちなら一緒に記載しておけば良いでしょう。咳などの症状があれば、いつから出たのか記録しておくと相談するときにわかりやすいです。

最後に

よく勘違いされているのですが、熱中症の多くは室内で発生しています。外に出ていないから大丈夫というわけではありません。特にクーラーや扇風機を用いていると乾燥することもあり気がつかないうちに脱水になってしまいます。自覚症状によらずに意識的に水分補給や空調管理を行い夏を乗り切りましょう!

コラムニスト|小田内科 院長:忌部 航

小田内科

診療内容

内科・消化器内科・呼吸器内科・循環器内科・消化器内科・胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査・経鼻内視鏡検査・エコー検査・睡眠時無呼吸検査・胃がん検診・肺がん検診・肺がん検診・大腸がん検診・特定健康診断・胃カメラ・大腸カメラ・

所在地・アクセス

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院長  忌部 航 

当院は昭和26年に創立して以来地元に根差した医院です。大きな病院に行くのは抵抗をお持ちでも「ちょっと小田で診てもらってきんさいや〜」と言われ受診される患者さん、診察時に「あんたのちっちゃい頃よぅ知っとるで」と私の記憶にないことまで話をされる患者さん、私が診察室に座っているとこの医院のもつ歴史、皆様からの期待を感じます。
これまでは東京で消化器内科を専門とし内視鏡検査やエコー検査を中心に診療を行ってきました。その経験を活かし最新の経鼻内視鏡(胃カメラ)やエコーを用いて辛くない検査を行い、患者さんにあった医療の提供を目指しています。また高血圧や糖尿病といった生活習慣病、インフルエンザなどの感染症も適切に診療し皆様に信頼されるかかりつけ医でありたいと思います。

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