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肺がん検診の案内がおうちで眠っていませんか?

2020/07/28

定期的に肺がん検診を受けましょう!

肺がんの頻度はどれくらい?

日本国民の死因の第1位は悪性新生物(がん)であり、中でも肺がん死亡率が最多で、現在も増加傾向です。肺がん罹患率は50歳以上で急激に増加し、年齢別死亡数で最も多いのは70歳代です。日本人が生涯のうちに肺がんになる確率は男性で7.4%、女性で3.1%と報告されています。自分は肺がんとは全く無関係とはいってられないですね。皆さんの周りにも肺がんと診断され治療中の方はいませんか?

肺がんはどんな病気?

肺がんは、進行すると、血液やリンパ液の流れに乗って全身に転移していきます。転移しやすい場所は、リンパ節、肺、脳、肝臓、副腎、骨で他のがんに比べ転移しやすく予後が悪いですから、要注意!

最近話題の電子たばこや加熱式たばこは肺がんになりにくい?

肺がんと喫煙との関連は非常に大きく、研究によると、たばこを吸わない人に比べて、吸う人が肺がんになるリスクは男性で4.4倍、女性で2.8倍と高くなります。また、たばこを吸わない人でも、周囲に流れるたばこの煙を吸うこと(受動喫煙)により発症する危険性が高まることもわかっており、タバコを吸わない女性の肺がん(肺腺癌)が増加しています。

最近、電子たばこや加熱式たばこなど新型たばこが注目され、紙巻たばこから新型たばこに変えたという人も多いですが、果たして肺がん発症のリスクは減少するのでしょうか?

残念ながらまだ、新型たばこの方が肺がん発症のリスクが低いという科学的根拠はないんです。発がん性物質が少ない=発がんリスクが少ないではありません。新型たばこから出る有害物質の量は、紙巻たばこに比べ少ない物質とそうでない物質があり今後長期間の観察により肺がん発症リスクが少ないか否か結果が判明するでしょう。言葉は悪いですが、新型たばこを吸う人を調査対象にして現在調査中といったところですね。

肺がんは発見しにくい癌なの?

肺がんは早期ではほぼ無症状ですが、症状の進行とともに、咳、痰、血痰、発熱、呼吸困難、胸痛などの呼吸器症状が現れます。残念ながら症状を伴う肺がんはほとんどが進行がんであり、治すことが難しいことがほとんどです。肺がん検診の目的は、無症状の肺がんを早期に発見し、適切な治療を行なうことで、がんによる死亡を減少させることです。肺がんの一般的な検診方法として胸部レントゲンがあります。最近、海外からの報告ですが、55歳以上75歳未満のヘビースモーカーでは胸部レントゲンよりも胸部CTによる検診の方が肺がんによる死亡を減少させることが報告され、55歳以上75歳未満のヘビースモーカーでは胸部CT検診が推奨されます。胸部CTの方が胸部レントゲンよりも肺がんを見つける能力はかなり高いですが、放射線の被ばく量、費用(保険適応なく自費)などデメリットもあります。

「毎年、肺がん検診を受けていたが去年は忘れていた。今年肺がん検診を受けたら進行肺がんが見つかった。」と言われる症例をしばしば経験します。たばこを吸う方、吸わない方いずれも、肺がんの早期発見のために、胸部レントゲン、あるいは胸部CTによる肺がん検診を毎年受けるようにしましょう。

コラムニスト|かねはら内科・呼吸器クリニック 院長:金原 正志

かねはら内科・呼吸器クリニック

診療内容

内科・呼吸器内科・アレルギー科・肺がん検診・健康診断・特定健診・低線量肺がんCT検診・予防接種

所在地・アクセス

〒733-0002 広島市西区楠木町3−1−10(エブリイ楠木モール内) Tel:082-230-1181
  • 「アストラムライン白島駅」下車、徒歩約3分。
  • 「北大橋西詰」交差点すぐそば。駐車場完備。

院長  金原 正志 

当クリニックには レントゲン、CT、呼吸機能検査、心電図、簡易睡眠ポリグラフ検査など専門的な医療機器を完備し、正確な診断、最善の治療を提供できるよう心がけています。

多くの呼吸器疾患や全身の癌の発生に影響する喫煙から患者さんを守るために禁煙外来を開設し、ニコチン依存症の治療も積極的に実施しています。また肺がんの早期発見を目的とした低線量肺がんCT検診も行っています。かかりつけ医として、高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病や風邪の診療、各種予防接種、健康診断なども気軽に受診していただけるクリニックでありたいと思っております。

専門性の高い医療と地域医療を提供し、地域のみなさまに信頼され、親しまれるクリニックとなれるようスタッフ一同努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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