広島の子育て世代に向けた、医療・健康・暮らしにまつわる情報を発信

新1年生おめでとう!入学直前の子どもへの声かけ、おすすめ&NG集

2021/03/25

4月に新入学を控えたお子さんと親御さんは、いよいよ近付いてきた小学校生活に、期待と不安でいっぱいなのではないでしょうか。

ランドセルや文房具など、モノの準備は着々と進んできたことと思いますが、お子さん自身の心の準備はいかがでしょうか?

今回は、小学校に入学する直前の子どもに、ぜひ伝えたい応援・励ましの言葉と、言わない方がよいNGワードを紹介します。

これは逆効果!?入学前に言ってはいけないNGワード

もうすぐ入学なのに、朝の着替えがテキパキとできなかったり、好き嫌いが多くてご飯を残してしまったりすると、親としては心配になってしまいますよね。

しかし、そんな時に、

「そんなにお着替えに時間がかかってたら、1年生になれないよ!」

「給食で好き嫌いばかりしてると、先生に怒られちゃうよ!」

といった声かけは避けましょう。

ほとんどのお子さんは1年生になって小学校に行くのを楽しみにしているため、一時的には効果があるかもしれません。

しかし、それと引き換えにお子さんの頭の中には「小学校は、ちゃんとできないと通わせてもらえず、罰を与えられる怖いところだ」というイメージが刷り込まれてしまいます。

先生に対しても、「言うとおりにしないと怒られる」という先入観を持って入学するのはお子さんにとって大きなデメリットです。

できるだけ、

「年少さんのときはママがズボンをはかせてたのに、1人ではけるなんてお兄ちゃんになったね」

「このお皿、ピッカピカだね!かっこいい1年生になれるね」

など、小さなことでもいいので「できたこと」にフォーカスした声かけに変換するのがおすすめです。

直前でも効果あり!おすすめの声かけ

いっぽう、入学直前でも、応援の気持ちが伝わるおすすめの言葉や声かけにはどんなものがあるのでしょうか。

実際にお子さんの入学前後に「こんな声かけをしました」というママやパパの体験談を紹介します。

「持ち物を揃えたり、名前を書いたりするときに、私が小学校の頃の思い出を話して聞かせました。ママが1年生のとき、クレヨン学校を使って飼っていたニワトリの画を描いたら、すごく似てる!ってほめられたんだよ、うれしかったな…とか、そうじの時間に、みんなで並んで雑巾がけしたのが面白かったよとか、楽しかったことを中心に」(Hさん・35歳・3年生と1年生のママ)
「保育園の庭や近所の公園は狭くてかけっこやボール遊びが十分できないんです。入学が近付いた時期、公園の帰り道などに、小学校は広いグランドでいっぱい走れるから楽しみだね!とよく言っていたら、子ども自身も小学校楽しみー!と言うように」(Sさん・38歳・1年生のパパ)

小学校ではこんな楽しいことがあるよ!という例を、たくさん会話の中で登場させるのがコツですね。

「長男は引っ込み思案で新しい環境に慣れるのに時間がかかるタイプなので、自分から積極的に声をかけたりできず、友達ができるかどうか心配で。幼稚園の担任の先生に相談したところ、よく似たタイプの子と仲良くなれることも多いですよ~と教えてもらいました。そこで息子には、近くの子にはおはようとバイバイだけは頑張って言おうね、そしたらきっと仲良しの子が見つかるよ!と、できるだけ実行しやすそうな方法を伝えました」(Kさん・36歳・2年生と3歳児のママ)
「もともと食が細くて、幼稚園のお弁当もすごくゆっくりなので量を少なめにしていました。給食がとても心配だったのですが、入学前の説明会で、食べるのが嫌いにならないように、無理に完食させる指導はしていませんと聞き、少し安心。そこで娘に、小学校の給食を全部食べられなくても怒られないからね、でも、おいしいからちょっとだけでも食べてみてねって先生が言ってたよ…と話しました。すると、家でも、今まですすめてもなかなか手を付けなかった食材に挑戦するように!すごーい、小学校に行ったらもっといろいろチャレンジできるようになるんじゃない!?とほめたら嬉しそうにしていました」(Mさん・38歳・1年生と4歳児のママ)

ママやパパの不安や懸念は、お子さんも同じように感じていることが多いもの。

克服させたいあまりプレッシャーにならないよう、その子に合ったアドバイスを伝えてあげられるといいですね。

おわりに

入学前後は、手続きや持ち物を揃えるのに精いっぱいで、子どもの内面にまで気が回らないことがあるかもしれません。

しかし、子どもは子どもなりに「もう1年生なんだからしっかりしなきゃ」「でも緊張する、不安…」という葛藤の中で一生懸命過ごしています。

うまくできないことがあったり他の子よりもゆっくりだったりすると、親としては心配も多々あるかもしれませんが、できるだけ温かい声かけで自信を持たせて送り出してあげたいですね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

 関連記事

column/btn_column_page
トップ